フォールアウト76が好き
大別するならファンタジーよりもSF作品の方が好きなので、
ベセスダのオープンワールドRPGならば、
エルダースクロールよりもフォールアウトが好みです。
どんなゲームかは今更こんな埋もれたブログで
語ることでもないでしょうから省きますが。
さすがに初代と2は未経験ですが、
3もニューベガスも4もそれぞれ違う持ち味で面白かった。
当時はどれも寝食を忘れて夢中になって遊びました。
そしてオンライン作品として登場したフォールアウト76。
これは世界中からボロクソに叩かれてましたね。
俺たちはこんなの求めてねえぞ!って。
だからなかなか言い出せなくて。
そんな76が好きだってこと。
私はもともと廃墟に性的な興奮を覚える危ない癖を持っていまして。
廃墟の写真集とかで良さげなやつがあるとちょくちょく買っては、
喫茶店なんかでハァハァと荒い息遣いになって眺めている変態なんですが、
フォールアウトってその性癖をまっすぐに貫いてくるんですよね。
ただそれは76に限った話ではないんです。
核戦争後の荒廃したアメリカが舞台のシリーズですから、
どの作品でも興奮しながら広大なフィールドの散歩を楽しんでました。
でも76では余計にそこが刺さったんです。
理由はNPCがいないから。
初期バージョンではプレイヤー達以外に人がいませんでした。
いるのは人間の死体と、狂暴なゾンビみたいな敵。
あとはロボットと危険な野生生物と黄緑色のマッチョだけです。
ここが叩かれてましたね。
確かにこのシリーズは登場人物との会話が楽しいゲームでした。
主人公の能力次第では口八丁で難局を乗り切ったり、
敵にまわしたり、逆に味方につけたり。
会話の途中でロケットランチャーをぶっ放すなんて
めちゃくちゃも出来てしまうところが大変魅力的でした。
だから、私だってわかります。
叩かれた理由、すごくよくわかります。
ただこのフォールアウトシリーズってですね。
廃墟を歩きまわって、各地に残るかつての生存者の手記とか、
パソコンのログなんかを読んでですね、
当時のことに想いを馳せる行為も、
楽しみのひとつだよなと思ってるんです。
で、オンラインRPG化がウリのフォールアウト76。
アメリカは、アパラチア地方が舞台なんですが、
核戦争に備えて用意されたシェルターから飛び出した天才たちが、
地域を襲う異常事態を調べて脅威に立ち向かう、みたいな流れです。
この流れの中で、かつてこの荒廃した地で必死に生きてきた人々が、
命の限りに脅威に立ち向かい、そして散っていった様を、
各地に残された記録を通じてプレイヤーは知る訳ですね。
私はここで死ぬだろう。
もし誰かがこれを読んでいるのなら、
脅威に立ち向かう手段を残してある。
どうか役立てて欲しい。
とか。
ここは比較的安全だが、それでも僕達は行かなければならない。
僅かだが食料を残しておいた。
これを読んでいる人へ、必要なら使うといい。
そして困っている人を見たら、あなたも手を差し伸べてやってくれ。
とかね。
そのメッセージの遺されたパソコンの上に、
恐らくは記述者本人と、志を共にした仲間たちとの写真とかあって、
それを見ながら後述のBGMを聴くとね、心に沁みてしまうんですよね
そんな訳で個人的に大絶賛しているのが今作の音楽。
フォールアウトシリーズってメインはラジオじゃないですか。
でも今作では私はラジオ機能を使いませんでした。
人気のない寂しい作風とBGMとがあまりにもマッチしているので。
序盤のエリアで流れることの多いこの曲。
全体に寂寥感が漂う寂しい曲ですが、
サビと言うのか、静かに曲調が盛り上がる場面で
死に追い詰められながらも、全力で脅威に立ち向かった
この地に生きた人々の矜持みたいのを匂わせてきて、
ああ、こういう路線のフォールアウトもアリだなと思ってしまいました。
そんな理由からフォールアウト76は嫌いになれないんです。
人がいなくて寂しいけど、その寂寥感をお供に、
とぼとぼと廃墟探検しながら過去に想いを馳せるのが楽しい。
でもそれってオンラインRPGじゃなくてもよくね?
そうなんです。
それもうオフゲーでいいじゃねーかっていう。
まさに自分でもそう思ってまして。
だからフォールアウト76を神ゲー!
とは手放しでは決して言えないよなあ、なんて。
ただですね。
そんな中でもストーリーを少しずつ進めていきまして。
見知らぬプレイヤーとさりげない交流(※)を楽しんだり、
※親切な人に水や回復アイテムを分けてもらったり、
泥棒と間違えられてガトリングを撃たれたり、
怪しい動物のマスクを被ってハンマーを持った半裸の変態に
30分ぐらい追いかけまわされたり、
自分以外に誰もいないエリアにピンポイントで核ミサイルを落とされたり、
という意味。
これはこれでちゃんとオンラインの楽しさがあって
悪くないんじゃない?なんて気分になってきました。
ストーリーを進めることで判明した事実。
アパラチア地方を襲った脅威の正体。
それは人間をゾンビ化させる毒素をまき散らす、
放射能で変異した巨大コウモリの怪物、スコーチビーストでした。
(バサッバサッと羽ばたく音が聴こえたら避難しよう)
そしてそのスコーチビーストを産み出す女王蜂的な
邪悪なクイーンが存在することを突き止めたプレイヤー達。
自分の所属するシェルターの監督官の最後のメッセージを受け取り、
各地に存在するミサイルサイロからなんと核ミサイルを発射。
隠れているクイーンを地表へと炙り出す過激な作戦を決行。
この地を崩壊させたのは怪物や核の影響ではなく、
人間同士の不信がもたらしたものです。
みなさんはお互いを信頼して危機を乗り越えてください。
アパラチアを頼みます。
という監督官の言葉を胸に、放射能の影響を受けぬよう
独自にカスタムしたパワードスーツを着込んだプレイヤー達は、
現れたクイーンに最後の戦いを挑むのです。
あれ、結構燃えるな。
いいじゃん、フォールアウト76。
というように自分の中では厳しめにしていた評価が
徐々にひっくり返ってきました。
そしてオンラインゲームだけにどんどんアップデートが行われ、
進化を続けた現在のアパラチアでは・・・
NPC達が帰ってきました。
安息の地を求めて避難してきた人々。
財宝の噂に目が眩んだ悪党集団。
ここがアパラチアか!ヒャッハー!
いや、毒ガス吐くコウモリいるから!
ワクチン打たないとゾンビになっちゃうから!
だから聞けよ人の話を!
そんな会話だって楽しめちゃう。
どうでしょう。
発売当時にクソゲージャッジした人。
もう一度触れてみては。
一緒に遊ぶ友人がいたら、きっと楽しいですよ。
世間からは猛烈に叩かれつつも、
個人的にはまったく憎めない、
それがフォールアウト76というゲームです。
大好き。