老害だからそろそろ何かくるかな?と思ってたらやっぱり病気になった その2

朝に感じた下腹部の微かな痛み。

 

仕事中に徐々に増す痛みにつれ、

痛む場所がはっきりとわかりました。

痛むのは下腹部ではない。

これは左の金玉が発している痛みだと。

 

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え、なんで?

ぶつけた覚えなんてないし、

誓って危ない遊びなんてしてませんよ神様。

 

寝ている間に寝ぼけて叩きまくったのか?

体の上で貝を割らんとするラッコのように?

 

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幸いにして我慢できない程の痛みではなく、

なんとか仕事を終えるも、この日はただただ困惑していました。

 

私は現在、土日休みの仕事に就いていますもので、

こりゃ土曜日に開いている泌尿器科を探して行ってこよう、

恥ずかしい目に遭うかも知れないが、部位が部位だけに仕方がない。

そう決心しました。

 

そして次の日。

7月2日(木曜日)を迎えた朝。

 

ヤバい。

朝起きた時点でヤバい。

 

例えるならまずシールド発生装置を破壊することで、

一定時間露出される弱点に攻撃をしかけ、

それを幾度が繰り返すことで撃破可能なゲームによくいる巨大ボス。

 

その敏感な弱点に集中攻撃をかけられてHPゲージをもりもり削られているのに

シールド発生装置がぶっ壊れたままで弱点が引っ込まず、

常に攻め立てられている状態。

 

例えるならワンダと巨像でワンダ少年が私の爪先から体をよじ登り、

弱点の刻印がされている左の金玉に、切ない一撃を

最後と言わずに何度も繰り返し叩き込み続けている状態。

 

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「最後の一撃は、せつない。」

 

わかりますか?

もっと平たく言うと、常に金的攻撃を受けている状態です。

 

触れただけで痛い。

下着や布にこすれただけで痛い。

しかも男ならばわかる金的攻撃を食らったあの痛みです。

どうしろと?

 

私の中学生時代、なぜか爆発的に金的攻撃が流行りました。

突然何の予備動作もなくお互いの急所を殴るという

大変危険な死亡遊戯でした。

 

顔見知りが近寄ってくる、あるいはすれ違う。

それだけで股間をガードして身構える必要がある。

学校の廊下でなぜかみんなサッカーのPKの壁状態に。

そんな恐ろしい争乱の季節があったことを思い出しました。

 

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ええ、ただの思考の逃避です。

忘れていた過去の思い出から無意識に解決策を探ろうとしたのでしょう。

 

それでもなぜか仕事には行きました。

当たらなければいい。

こすらなければいい。

衣類の装着位置を調節すればなんとかなるのではないか。

 

なりませんでした。

 

滝のような冷や汗が止まらず、

怪しい挙動で動く私を見て周囲では心配の声もあがりましたが、

私はただサムズアップするしかありませんでした。

 

なぜかって?

 

「金玉が痛くて」

 

なんて言えないでしょ普通。

 

泣きながらその日の仕事を終えた私。

でも結局上司に言いました。

 

「金玉が痛いので明日休ませてください」

 

と。

 

私ならまず初手で笑いますね。

事態を察知して心配をする前に、

そんなことを相談されたらまず最初に吹くと思います。

 

でも笑われませんでした。

後から聞いたら「本当にヤバそうな顔してた」からだそうな。

 

その後、おすすめの泌尿器科を教わり、

早速明朝行ってくることになりました。

 

帰宅後にネットで試しに「金玉が痛い」という

可能なことなら一生使いたくなかったワードで検索してみると、

まあ出るわ出るわ怖い症例がいっぱい。

 

精巣腫瘍、精巣がん

 

ヒエッ・・・

摘出確定のコースでこれが一番怖かったんですが、

でも症状として痛みは出ないらしい・・・

じゃあ違うのかな・・・

 

精巣捻転

 

ヒエッ・・・

なんか名前だけですごい痛そう・・・

実際のたうちまわるレベルで痛むそうな・・・

しかも発症から6時間以内に処置しないと

精巣機能が死んでしまう恐ろしいやつ・・・

これも摘出になっちゃう・・・

 

成長期の若い男の子がよくなるらしい・・・

痛いには痛いけど、のたうちまわってはいないし、

じゃあ違うのかな・・・

 

精巣上体炎

 

ヒエッ・・・

尿道からばい菌なんかの悪いものが入ってしまい、

睾丸が腫れたり、発熱したり、痛んだりするらしい・・・

 

これかな・・・?

変な遊びはしてないんだけど、これなのかな・・・?

でもこれなら抗生物質の服用で治るって書いてあるぞ・・・

これだったらいいな・・・

 

いやじゃ・・・いやじゃ・・・

タマタマの摘出なぞ絶対しとうない・・・

 

一通り、不安に身悶えしつつこの日は休みました。

仰向けで寝ていると多少は楽なのでどうにか就寝。

 

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翌朝、7月3日(金曜日)

 

朝一でおすすめされた町の泌尿器科クリニックへ。

自宅から車で30分ほどのところにありました。

運転している間も姿勢に注意しないと痛い痛い。

 

生まれて初めての泌尿器科。

もっと若い頃なら色々しんどかったかも知れませんが、

もはや老害なので羞恥心も鈍っております。

 

でも女医さんだったらさすがに嫌だなあ・・・

と思っていたら優しそうなおじさんだったので安心。

クレヨンしんちゃんのボーちゃんに若干似てる先生でした。

 

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「じゃあ見てみましょう」

 

こういう時に恥ずかしがる必要はないんです。

若い男の子ならば仕方がないでしょう。

でも社会人ならば、自身のちっぽけな羞恥心に囚われて、

多忙なプロである医師の仕事の進行を邪魔することの方が

よっぽど恥ずかしいとわかるはずです。

 

言うまでもないことですが、

家を出る前に念入りに何度も洗って清潔にしてあります。

ですので、この場における最適な行動はこれです。

 

「ハイ!」(スポーン!)

 

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そして触診が始まりました。

スポーン!と決めたものの、そのつもりがなくとも

万が一アレが妙な反応を見せてしまったら申し訳ないな・・・

なんて一抹の心配はしていたものの。

 

「いでででで!いでででで!」

 

触れるだけで痛いのだからそりゃこうなります。

幸か不幸か、痛みのおかげでつつがなく触診は終了。

 

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「これはもしかすると静脈の病気かも知れません

 うちでは詳しく調べられないので、

 すぐ近くにある大きな病院に行ってください

 紹介状を書きますので」

 

と言われる。

 

え、静脈?

睾丸や精巣の病気ではなかった?

 

ボーちゃん先生に言われるがままに、

その地域ではとても有名な巨大病院へ。

 

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名前は知っていたものの、初めて足を運んだその病院。

めっちゃでかくてびびりました。

早朝から車だらけ。

離れたところにある駐車場になんとか滑り込めました。

 

大きな病院ってすごいですね。

財前教授が総回診してても違和感なさげなでかさ。

だって院内にドトールがあるんだもん、初めて見た。

 

当然のように診察までは随分と待たされましたが、

耐え難い疼痛に苦しんでいると言えども、

じっとしていればある程度平気なのが幸いでした。

 

ボーちゃんに続き、今度は眼鏡をかけたあんちゃん先生。

闇堕ちしたドクターコトーテイスト。

 

症状と紹介状を渡したら再び触診です。

二度目となれば慣れたもの。

 

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スポーン!からのいででで!まで流れるような動き。

 

続いて今度はゼリーを塗ってエコー検査をするとのこと。

触診よりはまだマシでしたが、それでも機械で

グリグリされるのだからまあ痛いものは痛い。

 

その結果、ようやく病名が判明しました。

 

精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)

 

というその名の通り静脈の病気なんだそうな。

 

睾丸は左右に二つありますが、

左右でそれぞれ血管の作りが違い、

左側が悪くなりやすいとかいう話でした。

 

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必ずしも痛みが生じる病気ではないとのことですが、

腎臓から精巣まで伸びている血管の束に瘤が出来ていて、

普段は中心のセーフティーゾーンに固定されている金玉が、

瘤状になった血管に圧迫されて外壁に押し付けられている状態

ではないか、という診断でした。

 

そりゃ触れたりこすれるだけで痛いわな。

弱点が剥き出しの巨大ボスの例えは正しかったということに。

 

「先生、つまり血管の病気であって悪いのは金玉ではない?」

 

「そうですね」

 

「金玉の摘出とかはしなくて平気?」

 

「あなたの金玉は至って健康ですね」

 

心の中で私は叫びました。

いや、許されるなら本当に叫びたかった。

 

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エイドリアーーーン!!!

 

ここで状況を振り返って頂きたい。

 

痔のアレフ氏 VS 金玉の私

 

という下劣極まる様相を示していたこの争いですが、

 

痔のアレフ氏 VS 静脈瘤の私

 

に変化するということです。

 

この時点でもう格が違う。

だって悪いの血管ですし。

痔でも金玉でもないですし、血管ですし。

 

勝った!

私はそう確信しました。

 

「で、ですね」

 

「はい?」

 

「これは手術しないと治らないんですよ」

 

「えっ」

 

手術

 

「しないとダメ?」

 

「しないと痛いままかも」

 

「マジですか?」

 

「でもうちでは症例がないので、また別の病院を紹介しますね」

 

勝利を確信したものの、

なんだかまた大変な展開になってきました。