ファンタジーよりSF派
剣と魔法のファンタジー物といえばまさしく王道ですが、
個人的にはSF系の作品が好きだったりします。
日頃からSF小説なんかを好んで読む訳でもないのに、
ゲームに限ってはなぜかそうなってます。
このSF趣味は一体なにを起因としているのだろう。
それを考えて懐かしのファミコン時代まで記憶を遡ると、
とあるRPGが真っ先に浮かんできました。
コナミのSFRPG、ラグランジュポイント。
元々はファミマガという最古のゲーム雑誌の読者参加企画から
誕生したというちょっと変わった由来を持ったゲームです。
私ね、これに参加しててアイデアが採用されたんですよ。
なんて言えたらかっこいいんですが、そんなことは一切なく。
発売して少し経ってからから
「ふぅん、SF物のRPGなんて珍しいな遊んでみよう」
と、触れてみた次第です。
スペースコロニーでなんかやべーことが起きたらしいので、
主人公ジンの所属する調査チームが遠路はるばる乗り込んだら、
下船直後にめっちゃ強い謎の機械に襲われてチームは全滅。
ジンくん ハァハァ
と主人公に欲情する隊長は後事を託し落命。
形見のバトルナイフを手に調査の旅に出るという導入。
決してメジャーな作品ではないと思います。
知る人ぞ知る、という表現が合うのではないでしょうか。
でも、当時めちゃくちゃハマりましたね。
なんといってもこの作品の魅力はオレギでしょう。
経験者同士ならこの一言で心が通じ合えます。
この歳になっても思い出すと背中がぞわっとしますから。
こいつがオレギ。
最初に立ち塞がる宿敵みたいなやつなんですけどね。
快適にフィールドをドライブしてたら突如遭遇し、
車ごと崖下に落とされるのがファーストコンタクト。
そして二度目は・・・
話は変わりますが、このゲームの目玉はなんといっても武器合体。
ファクトリーと呼ばれる施設にて、なんでもかんでも武器を合成、
これがまた楽しいんですよ。
ショップで安い初期武器なんかを大量に買い込んで
ひたすら合体。
各キャラクターごとに得意な武器属性があるので、
攻略本に頼らず、ネットだってない時代には
ひたすら作るしかないんだけど、これが楽しかった。
ヒートライフル
ちょうでんけん
ソリッドバズーカ
かでんしほう
SF作品らしい武器の名前だけでムラムラしてきますね。
で、この楽しい武器合体はサテライトベースという
人類側における最大の抵抗拠点で解禁されるんですが・・・
その到達直前に立ち塞がるんです、オレギが。
三度目の遭遇にて最後の決戦。
これがめちゃくちゃ強い。
ファミコンのゲームだからでしょうか。
このゲーム、ボスの攻撃パターンが少ないんです。
たった一種類しかない。
火を噴いて全員に大ダメージを与えてくる。
ドラクエで例えるなら毎ターンベギラマを放ってくるのと同じ。
つまり、超きつい。
手抜きだろ!もっとちゃんと戦闘バランス考えろ!
なんて毒づきながらも、ここまできたプレイヤーなら
絶対に心は折れないはず。
あまりにもショッキングな出来事で、おそらく全てのプレイヤーの
トラウマになっているだけにここでは詳しくは書きませんが、
許せねえ!てめえだけはぶっ殺してやる!
と憎悪を込めながら攻撃のボタンを押すことになるでしょう。
そしてそんな強敵をやっと倒せた時の喜び。
壁を乗り越えてサテライトベースに到達した時の興奮。
サテライトベースの連絡通路を渡りつつ、
何週遊び直そうとも毎回味わえるこのカタルシス。
オレギはゲーム史に残る最高のボスだな、なんて思ったり。
そして忘れてはいけないのが音楽ですね。
普通のファミコンのカセットと比べ、
このラグランジュポイントはカートリッジがでかいんですが、
中に特別な音源チップが内蔵されているそうで、
ファミコンのゲームで唯一、FM音源で音楽が鳴ったんだそうな。
そうは言っても今聴いてもピンとこないでしょう。
しかし当時はなんか音楽すごくね?と驚いたものでした。
担当しているのは有名なコナミ矩形波倶楽部です。
サテライトベースの人類最後の拠点感・・・
アクアダクトの未開の地をビークルで走り回る旅情感・・・
繰り返しになりますが、このラグランジュポイントは
メジャータイトルと比べれば知名度はいまひとつな作品。
知る人ぞ知る、言い換えれば、知っている人は知っている作品です。
私が昔から多大なリスペクトを抱く生粋のゲーマー、
サーモン先輩がこのラグランジュポイントを知っていた時は唸りました。
長年語れる友人を求めていた私にとってはとても嬉しい出来事。
アレだよ、あの曲もいいよね
どの曲?
街の曲なんだけど・・・
不屈の精神で反撃の機を窺うレジスタンス感に溢れた・・・
わかった
イントロがチャーンチャラララ!ってやつ?
そうそれ!チャーンチャラララ!
そんな会話で盛り上がったことを覚えています。
だって本当にチャーンチャラララ!だし。
出だしこそ明るいのに、サビでしぶとく抵抗を続ける
人類の気概みたいなものを表すのずるいと思う。
さて、ラグランジュポイントについて書くとなると、
7割がオレギで、残り3割が音楽の話で終わるだろうなあと
予想してたらやっぱりその通りになってしまいました。
知名度も控えめ。
RPGとしても特別出来が良いという訳でもなかった気もしますが、
ドラクエよりもファイナルファンタジーよりも、
自分にしっくりきた、惚れ込んだRPGってこれなんです。
思い返すとやっぱりここからかも知れません。
RPGに限らず、SFを題材にしたゲームが好きになったのは。
そしてこのラグランジュポイントを起点としたSF志向は、
後年マスエフェクトという洋ゲーRPGで立派に結実するのですが、
それはまた別の機会に語れたらと思います。